土地探しの第一歩は、自分たちがどんな土地に住みたいか、ライフスタイルや好みなどを確認していくことです。例えば、広さ、価格、学校や公園、交通の便、道路の幅、防犯…。
土地探しの確認項目はたくさんありますが、これらのひとつひとつの項目を自分たちがどのようにとらえているのか評価するという作業から始めるとよいでしょう。
家づくりは一生に一度の買い物とよく言われますが、なかでも慎重かつ手際よく進めたいのが土地探し。
どんな土地を選ぶかにより、その上に建つ家の規模はもちろん、快適性、安全性、耐久性にも大きな影響があるからです。
土地探しに際しては、どの工程においてもできるだけ多くの情報を集めることが重要です。
そして、有力な候補地には必ず足を運び、自らの目で確かめること。実際に足を運ぶことで、その土地のいろいろな面が見えてくるものです。
選択肢がそろったら、次に絞り込みの作業ですが、この段階では自分たちの「土地探しの判断基準」を明確にしておく必要があります。かといって、あまりにかたくなにこだわると、基準を満たす土地を見つけることが困難になります。
自分たちなりに、ある程度の満足度をクリアしていれば、よしとして決断しましょう。
では、さっそく土地探しのコツを見ていきます。
物件情報の収集
情報源の種類と特性
チラシ
チラシは週末を控えた金曜や土曜日に配られます。
特定の物件だけに絞っているものと、地域にある物件を複数集めたオムニバス版があり、前者のほうがより興味深く新鮮な情報である可能性が高い傾向があります。
情報誌
駅、スーパー、コンビニなどでフリーペーパーが置かれていますが、住宅情報誌もその中にあり、有力な情報源のひとつといえます。
紙媒体のよいところは常時持ち歩け、同時に複数の情報を机上に並べて比較することができるなど、アナログな人間の感性に適しています。
店頭のウィンドウ
家や土地を探す際に、「自ら現場を見て歩く」を実践する方にとっては、現地の不動産業者のウィンドウに貼り出された情報が気になることでしょう。
しかし、実際に不動産業者を訪れて、その物件について尋ねてみると「あの物件は売れてしまいました」と言われることが多くあります。
こういった不動産業者から情報を引き出すためには、事務所に入って話を聞いてみるしかありません。
インターネット
やはり最新情報が欲しいという方には、インターネットがオススメです。
チラシや情報誌に比べて情報の更新が容易なため情報の鮮度が高いこと、中小不動産業者でも気軽に情報発信できるので、思わぬ物件と遭遇する可能性があります。
しかし、何といってもインターネットのメリットは、24時間いつでも必要なときに調べられること、そして膨大な情報の中から検索ができることです。
同じ広さの土地(敷地)でも、そのカタチ(形状)やどのように道路に面しているかによって、家の建築面積や床面積はもちろんのこと、住みやすさにも大きな影響を与えます。また、そうした立地条件は土地の価格にも反映されます。
敷地の形状
敷地の形状はさまざまですが、おおむね長方形が多いです。
建築基準法では、「建築物の敷地は、道路に2m以上接しなければならない」と定められています。
例えば、以前は道路に面して広かった土地を、地主が適当な区画に分けて売りに出す際、下図1のような土地ならばAとBに分けられますが、下図2のような場合にCとDのように分けると、Dの敷地は道路に面していないので、Cの敷地内を通行しなければなりません。これでは不便ですしトラブルのもとになります。
そこで、上のような法規が定められています。ですからDの敷地は下図3のように幅2m以上の通路で道路とつなぐことになるのです。このときDの敷地形状が旗のように見えるため、「旗竿状(の)敷地」と呼ぶことがあります。
角地は風通しや日当たりがよい好立地とされていますが、下図4のような三角形の土地はよほど広くない限り長方形の家を建てるには不向きです。

現地で確かめることも大切
敷地の広さはもちろんのこと、その形状や方角などは住む人のライフスタイルによって評価が異なります。
まずは、図面や地図などを参考にして机上で十分に吟味し、と同時に現地へ足を運び、これから生活する場としてふさわしいかどうかを自分の目で確認しましょう。
敷地の風通しは図面ではほとんど判断できません。また、一度や二度訪れただけでは通年の風向きや強さはわからないものです。
そこでお勧めしたいのが地元の人へのリサーチ。長く住んでいるお年寄り、畑があれば農家、海辺なら漁師など、日頃から風を肌で感じている方がよく知っているはずです。もし、風の強い地域の場合、風上に田畑があれば砂塵を、工場や牧場などがあるときは臭いを気にしたほうがよいでしょう。
分譲地などの案内図だけでは高低差がわかりにくいものです。
現地に行くと思いのほか坂がきつかったり、隣地との段差が気になることもあります。また、自家用車を利用する方は道路をスムーズに通行できるか、とくに初心者や運転に不慣れな方にとっては自ら確かめてみるのが一番。家の前で車庫入れがしにくい場合、日々のストレスとなる可能性もあります。
土地がすべて使えるとは限らない
登記簿などに表記される土地の広さは、必ずしも実際に使える広さとは限りません。
例えば、盛土や切り土による傾斜地(下図A)では、斜面は敷地面積に含まれていますが、この部分に建物を建てるのは容易でありません。
また、角地の「すみ切り」部分(下図B)や私道は敷地の一部でも当然ながら建物は建てられません。同様に、幅4m未満の道路に面した敷地(下図C)も、道路の幅が4mあるものとみなされ、その部分には建てられません。

このほか、用途地域、斜線制限、防火・準防火地域などの規制により、建物の床面積や構造に制限が加えられることがあります。
狭い土地でも広く使える
限られた広さの土地でも、有効に使えば広い土地に匹敵する居住性を実現することができます。例えば、ロフトや小屋裏を創ったり、廊下スペースを無駄なくプランしたりすれば、同じ床面積でも庭を広く取ることが可能です。
狭いから無理とあきらめる前に1度ご相談ください。
立地、広さ、地盤などの条件がそろった土地が見つかっても、法規制の厳しい都市部では思い通りの家づくりができないことがあります。このようなことのないよう、法規制をあらかじめ知っておけば後悔せずにすむ可能性が高まります。
なお、ここでは一般的な住宅を建てるという前提で法規制を見ていきます。また、自治体によっては規制の内容が異なる場合があるので、詳細は自治体や当社営業に尋ねてください。
都市計画と用途地域
「土地があれば家が建てられる」とは限りません。土地の利用方法を定めた都市計画法という法律があるからです。

| 用途地域 | 住宅 | |
|---|---|---|
| 住居系 | 第1種低層住居専用地域 | ◎ |
| 第2種低層住居専用地域 | ◎ | |
| 第1種中高層住居専用地域 | ◎ | |
| 第2種中高層住居専用地域 | ◎ | |
| 第1種住居地域 | ◎ | |
| 第2種住居地域 | ◎ | |
| 準住居地域 | ◎ | |
| 商業系 | 近隣商業地域 | ○ |
| 商業地域 | ○ | |
| 工業系 | 準工業地域 | △ |
| 工業地域 | △ | |
| 工業専用地域 | × |
右の図のように、都市計画法が適用される都市計画区域は、市街化を促進する「市街化区域」、市街化を抑制する「市街化調整区域」、いずれでもない「無指定区域」からなります。
そのため、市街化区域内では比較的自由に建築できますが、市街化調整区域内では特別な場合を除き建築が許されていません。
一方、無指定区域や都市計画区域外の土地は、農地法や自然公園法などの規制がなければ原則として建築可能です。しかし、電気や水道などが敷設されていない原野のような所もあり、現実的には建てられないこともあります。
一般の方が住宅を建てるのは、たいてい市街化区域ですが、この区域内にはさらに用途地域という規制が設けられています。用途地域は、その地域をもっぱらどのような目的※で利用するかによって12に分けられ、ちなみに工業専用地域内では住宅は建てられません。
また、良好な住宅環境を目的としている住居系の地域では床面積、高さ、構造などの厳しい規制があり、道路や敷地が狭いほど建築の自由度が低くなります。用途地域に関しては、各自治体が独自に地域分けを行っており、ひと目でわかる地図などの販売や閲覧のサービスを行っているので、ぜひ活用しましょう。
※ツꀀ住宅だけでなく、店舗やオフィスなどの商業施設、倉庫や工場などの工業施設も制限を受けます。この他、住居系では自治体が定めた条例や「建築協定」という規制が設けられていることもあります。
面積に関する法規制
敷地の面積については、都市計画によって最小規模が定められている場合があります。
さらに、その敷地内の建物の床面積に関しては、過密化を防ぎ良好な敷地環境や住宅環境を守るために、建ぺい率と容積率という制限が定められています。

これらの制限は、それぞれ右の式で計算されます。ここでいう「建築面積」は概算では1階の床面積と考えてもよいでしょう。いずれの制限も、用途地域によってあらかじめ数値が定められていますが、同じ用途地域であっても地区によって異なることがあるので、必ず各自治体の資料で調べてください。
高さに関する法規制
面積だけでなく、住宅の高さに関する法規制もあります。これは、主に近隣の日照環境を守るために定められたもので、戸建て住宅で気になるのは斜線制限と高さ制限です。斜線制限には「道路斜線制限」と「北側斜線規制」があります。
高さに関する制限は、斜線制限だけではありません。第1種・第2種低層住居専用地域では「絶対高さ制限」があり、10m(12mの場合もある)以上の建物はダメ。
また、「高度地区」の規定が設けられている自治体では、独自の高さ制限がある場合もあります。さらに、第1種・第2種低層住居専用地域では、軒高7m以上または3階建ての場合に「日影規制」が適用されますが、これはまれなケースです。
高さの制限のうち、斜線制限に関しては建物を境界線から離して建てることで、また絶対高さ制限は3階建てにせず、2階建てにすることでクリアできます。
いろいろな土地の価格
近ごろ、電化製品などで「オープン価格」という表示をよく見かけます。
通常は、メーカー希望小売価格と実際の売価が併記され、それらを見比べることで高いか安いかを判断していました。しかし、オープン価格ではそのような判断はできません。せいぜい他店の価格と比べるくらい。
実は、土地の価格もこのオープン価格にあたります。
とはいえ、法外に高くては売れませんし、あまりに安くては売り手が損。というわけで、土地の価格には相場ができあがるものです。
「この土地は高い・安い」といった判断は、たいていこの相場との比較によってなされています。
1. 公示価格
国土交通省土地鑑定委員会が全国3万数千の「標準地」について、毎年1月1日時点の土地の価格の適正な指標として公表するのが「公示価格」です。
一般の土地取引だけでなく、国や自治体が用地を取得する際の算定基準ともなる地価のひとつです。
公示価格は官報に記載され、自治体などで閲覧できるほか、国土交通省の「土地総合情報ライブラリー」でも調べられます。
都道府県地価調査(基準地検索)で、地名などを入力。
2. 路線価
国税庁が市街地の道路に沿った宅地について、毎年1月1日時点の1m2あたりの価格を評価して定める価格が「路線価」。
相続税、贈与税、固定資産税においてはこの路線価が評価基準となります。
路線価は、税務署の「路線価図」で確認できるほか、国税庁の「路線価図等閲覧コーナー」でも調べることが可能です。地価は売買するときだけでなく、課税にも関わっているため、実際には安く買った土地でも税金が高くつくことがあります。
地名を絞り込み、地図の道路上に記された数値を読み取ります。
3. 実勢価格
不動産会社やハウスメーカーなどの分譲地の広告・案内などに記され、売買される際の土地価格が実勢価格です。
掘り出し価格や超人気の沸騰価格でなければ、実勢価格=相場と考えられます。
公示価格や路線価をもとにして決まる場合もありますが、その土地の環境や日当たりなどの立地条件によっても左右されます。また、人気の高い土地の価格は周辺の相場より高くなることもあり、まさにオープン価格です。























